牝馬と牡馬では勝負根性に差がある? ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、凱旋門賞を制した3歳牝馬のデインドリームの参戦が話題になり、その衝撃的な強さと早い馬場への適性が買われて、1番人気に支持されました。しかしレースは、国内レースで初めて1番人気をゆずったブエナビスタが、トーセンジョーダンとの叩き合いを制して、昨年2着に降着になった鬱憤を晴らすとともに、鮮やかな復活を遂げました。

ブエナビスタは前走の天皇賞(秋)で初めて馬券圏をはずれる4着に敗退し、もうダメなのではないかという見方をする人も多かったのではないでしょうか。それが単勝3.4倍の2番人気というオッズに現れていたと思います。
確かに過去には、1回の敗戦からそれまでの強さが嘘のように勝てなくなった馬もいました。

2000年の古馬中長距離G1をすべて制したテイエムオペラオーは、翌2001年の宝塚記念で、それまで常に2着に下していたメイショウドトウに初めて先着を許し、さらに勝ったと思った天皇賞(秋)でアグネスデジタルに差されて2着に破れ、その後はJC2着、有馬記念5着とついに復活することなく引退しました。
また2004年の天皇賞(秋)、JC、有馬記念を制したゼンノロブロイは、翌年の天皇賞(秋)でヘヴンリーロマンスに差されて2着に敗れた後、やはりJC3着、有馬記念8着とずるずると負け続けて引退。
どうもこういう成績を見ていると、どんなに強い馬でも、いったんケチがつくと、なかなか復活しにくいのかなと思ってしまいます。

しかし、もちろんオグリキャップのように復活した例もあります。そこまで劇的ではないにしても、特にG1を複数勝った強い馬の中では、牝馬にその傾向があるような気がします。
2歳から5歳(当時は3歳から6歳)まで毎年G1を勝ち、通算でG1を5勝したメジロドーベルは、2度も復活してエリザベス女王杯を2勝しましたし、G1最多勝タイの7勝をあげたウオッカも、何度も勝てない時期を過ごしながら、5歳の秋にJCを制しました。
単純に牡馬と牝馬の違いとはいえないとは思いますが、やはり牝馬のほうが根性があるのかなと思えてしまいます。

ブエナビスタはこれでG1は6勝となり、ウオッカやシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクトなどそうそうたる馬たちが記録したJRAのG1 7勝という記録にあと1歩と迫っています。
順調に行けば有馬記念で7勝目を狙うことになりますが、ブエナビスタのすごいところは、どの競馬場でもしっかり走るということです。東京はもちろん、中山でも有馬記念2着2回の実績があります。この1年足踏みした分、有馬記念ではすっきり勝って、ぜひG1 7勝目を獲得して欲しいものです。

ブエナビスタ
【ブエナビスタ】いつものように落ち着いて周回。パドックではいつもおとなしいです。
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